080-7847-5073
オンライン指導も実施中!

投球フォームを見直す時にまず考えたい「スローイングプレーン」について

投球時のTER 総外旋可動域

投球フォームで大切なポイントはいくつかありますが、その中でも最も大切だとされるポイントは「スローイングプレーンがシングルかどうか」です。

シングルプレーンを獲得することでパフォーマンスが高まるだけでなく、ケガの予防にも大きく貢献します。

 

今回はその大切な「スローイングプレーン」について解説していきます。

スローイングプレーンとは?

元々この言葉は、肩関節の権威である信原Dr.が提唱したもので、投球中の腕の振りを「面」として捉える考え方です。

投球中の一瞬のボジションではなく、連続するモーションを立体的に捉えることがキーではないかという概念のもと、考案されました。

シングルプレーンについて

(信原克也:「肩 その機能と臨床」第4版:医学書院、2012より引用)

シングルプレーンとはその名の通り、スローイングプレーンが1つ(シングル)の軌道を描くことを指します。

つまり、肩、肘、手がほぼ同じ軌道上を運動していくような投球フォームのこと。

これは基本的にオーバーハンド、スリークォーター、サイドハンド、アンダーハンドどれにおいても面の傾きが異なるのみで、どれもシングルプレーンで投げることは可能です。

ダブルプレーンについて

シングルプレーンに対し、ダブルプレーンでは2つ(ダブル)の軌道を描いていくものになります。

いわゆる肘下がりや内旋投げと言われるような投球フォームでは肩から肘が描く軌道と、肘から手が描く軌道がズレ、2つの異なる面を描くような投球フォームになります。

そして、ダブルプレーンでは肩・肘の負担が大きくなります。

例①

上の選手がダブルプレーン、下の選手がシングルプレーンです。

(岩堀祐介:運動力学を踏まえた投球フォーム指導:現代医学、63巻2号、2015 より引用)

例②

a がシングルプレーン、b がダブルプレーンです。

(菅谷啓之ら:新版「野球の医学」:文光堂、2017より引用)

シングルプレーンとダブルプレーンの違いはわかったでしょうか?

ダブルプレーンでの投球はシングルプレーンでの投球に比べ、かなりの負担が肩と肘両方にかかってしまいます。

なので投球フォームを見直す際は、まずは自分の投球フォーム全体を見て「シングルプレーンになっているか?」を確認してみてください。

ダブルプレーンになってしまう要因

なぜダブルプレーンになってしまうのでしょうか?

原因は人それぞれで一概に「これのせいだ」とは言えませんが、よくあるパターンを3つ紹介するので、もしもダブルプレーンになってしまっている人がいれば参考にしてみてください。

① TERの不足

ダブルプレーンなってしまっている人の中で、最も多い要因はこれ。

TERとは、Total External Rotation の略で「総外旋可動域」のことを指します。

シングルプレーンで投球するためには、この可動域が180°必要なんですね。

投球時のTER 総外旋可動域

 

TERが180°獲得できていると…

TERが獲得できている

シングルプレーンの例

TERが不足していると…

TERの不足

ダブルプレーンの例

ひとつ注意が必要なのは「総外旋可動域」という名のとおり、これは肩だけの動きではなく「胸椎」や「肩甲骨」の動きも大きく使った動きのことです。

なので、無理に肩を後ろに動かすのではなく、肩甲骨や胸椎の動きを出すストレッチをしてみてください。

この動画で紹介しているストレッチもおすすめです。

② 肘下がり

次は肘下がりが原因でダブルプレーンになってしまっているタイプ。

肘が下がってしまうと、ダブルプレーンで投げざるを得ないので必然的に肩肘に大きな負担がかかってしまいます。

この記事でも肘が下がることによる肩への負担を解説しているので、チェックしてみてください。

肘下がりの状態でボールを投げると、肩にどのような負担がかかるのか?

③ 前腕の回内制限

トレーナーや専門家でも把握していないことがあるんですが、実は前腕の回内制限があってもシングルプレーンにはなりません。

前腕の回内というのは、手首を内側にひねる動きです。

みなさんも小さく前ならえをした状態で、左右の回内を確認してみましょう。

手のひらの面の向きに差があったり、脇が開いたりすると回内制限がある可能性が高いです。

前腕回内の可動域チェック

前腕回内の可動域チェック 代償動作

前述したTER180°を獲得しても、回内がしっかりできないと投球方向に手を向けることができません。

 

手のひらを上にむけた「回外」だと、手の甲で投げるようになってしまいます。

回外 野球

回外スロー

 

反対に手のひらを下にむけた「回内」がいつもの感じ。

回内 投球

回内スロー

 

ということで、回内の可動域が足りないと…

前腕回内制限があるスローイング

こんな感じでカーブを投げるような向きになってしまいます。

これでは投げることができないので、なんとか手を前に向けようとした結果、肘を曲げてしまいダブルプレーンになってしまうんですね。

回内制限の代償動作がでた結果のダブルプレーン

ということで、気づきにくいですが回内は投球動作に必須の動きです。

 

もしも回内の動きが出にくい状態だった人は、バットなどをもってストレッチしてみましょう。

回内のストレッチ 回外筋

あまり重たいものでやると、ケガの原因になってしまうので軽めのものを脱力して持つイメージで。

上手くできていると青い丸の部分が伸びてきます。

青い丸の部分ではなく、手首に負担がかかっている感覚があるのは間違っているので注意してください。

まとめ

投球動作において「絶対こっちのほうがいい!」と言えるものはなかなか無いんですが、そんな中でもスローイングプレーンはシングルの方がいい!と言えるくらい大切な要素です。

一度自分のフォームを確認してみて、さらなるレベルアップに繋げてもらえると嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です