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野球肩になるとき、肩の中で何が起きているかをわかりやすく説明する

野球肩になる、肩を壊す、肩を痛める、とはよく聞くものの、実際にどのようにして肩に痛みが出ているかは知らない人が多いのではないでしょうか?

この記事では、一見難しそうな、野球肩になる時のメカニズムをわかりやすく説明していきます。

肩ってどこのこと?

野球肩になる時に肩で起きていることを説明する前に、肩そのものについて少し知る必要があります。

 

肩の解剖学について触れる前に、人差し指で「肩」がどこにあるか指してみましょう。

 

自分なりに思う肩の場所を指してみましたか?

人によって指し示す場所が全く違うので面白いですよ。

肩関節はここだ

正確な「肩関節」はここにあります。

肩の位置

ここが本当の「肩関節」がある場所です。

この付近(前でも後ろでもOK)を指し示した人は大正解です。

 

もっとわかりやすくするために、このマッチョな人を骨だけにしてみましょう。

肩の位置

この骨と骨の接続部分が「肩関節」ですね。

もっと細かく見てみよう

ガイコツの写真を見てもわかるように、肩関節は「腕の骨 + 肩甲骨」で構成されています。

そして「腕の骨 + 肩甲骨」はよく見ると「ボール + お皿」のような形をしています。

 

まずは腕の骨を見てみましょう。

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

腕の骨の上の丸っこい部分が、肩関節の部分です。

ボールですね。

 

次に肩甲骨を見てみましょう。

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

右の図が身体の前から見た肩甲骨、左の図が身体の横から見た肩甲骨です。

この小さいお皿のような部分が、肩関節の部分です。

 

これら2つをくっつけるとこんな感じ。

右肩を前からみた様子です。

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

真上からも見てみましょう。

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

大きなボールと小さなお皿、というような構造になっています。

肩関節は身体の中で1番不安定

見ての通り、肩関節は小さなお皿に大きなボールがちょこんと乗っているだけの不安定な関節です。

そして、人間の身体の中で最も不安定な関節、いわゆる外れやすい関節です。

(その反面、身体の中で1番大きく動く関節でもあります)

 

「関節が外れる = 脱臼」です。

そして、脱臼する関節ランキングぶっちぎりの1位は「肩関節」です。

それほど不安定な関節という証明でもあります。

 

また、小さなお皿から大きなボールがはみ出さないように、たくさんの靭帯や筋肉などの組織で肩関節を守っています。

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

野球肩になるときに肩の中で起きていること

ここからようやく本題です。

野球肩になる時に、肩の中ではなにが起きているのでしょう?

 

答えは「お皿からボールが少しはみ出し、周りの組織を傷つけてしまっている」です。

 

野球の投球動作は、腕を後ろで大きく振りかぶり、その後一気に前に強く腕を振り出します。

この大きな力が肩に加わったとき、不安定な肩関節は脱臼とまでは行かなくとも、投げた拍子にお皿からボールが少しはみ出してしまい肩関節を守っている筋肉や靭帯などの組織を「ほんのちょこっとだけ」傷つけてしまいます。

この「ほんのちょこっとだけ」を繰り返すことにより痛みが生まれ、野球肩になってしまいます。

 

よって実際に野球肩になる人は、1回の投球で痛みが急に出現することは稀です。

「ほんのちょこっとだけ」肩関節周りの組織を傷つけることを繰り返した結果、まずは「肩の違和感」が生じ、それでも投球を続けているとついに痛みになってくる、ということがほとんどです。

 

これが野球肩の正体です。

なぜお皿からボールがはみ出てしまうのか

この記事でも説明したように、ボールのはみ出し具合は人によって異なります。

多めにはみ出してしまう人もいれば、あまりはみ出さない人もいます。

もちろんあまりはみ出さないに越したことはありません。

 

では、そもそもなぜお皿からボールがはみ出てしまうのか。

それは大きくわけて2つの原因があります。

  • 肩関節が本来の動きの範囲を超えて動いてしまう
  • 肩がはみ出さないように抑えつける筋肉が機能していない

肩関節が本来の動きの範囲を超えて動いてしまう

もちろん、身体中どの関節にも「動きの上限」が存在します。

基本的には「動きの上限」まで関節を動かすと、ロックがかかってそれ以上は動かない関節が多いです。

(肘を伸ばす、膝を伸ばす、など)

しかし、肩関節はその不安定さが仇となり、無理矢理動かすと「動きの上限」を超えて動いてしまうんですね。

このように「動きの上限を超えて肩関節が動いた」時、お皿からボールがはみ出してしまいます。

 

では、どのような時に肩関節は動きの上限を超えやすいのか。

 

わかりやすいように、「バンザイ」をする時の肩の動きで説明します。

右肩を前からみた様子です。

肩甲上腕リズムの説明

これは腕を下に垂らした状態ですね。

 

この状態から、バンザイをするために腕を真上に持っていく時、多くの人が誤解している肩の動きのイメージがこちら。

肩甲上腕リズムの説明

腕は真上に向きましたが、これは骨模型だからできただけで、実際には肩関節はこんなに動きません。

 

実はバンザイする時の肩関節の動きはこのくらい。

肩甲上腕リズムの説明

この写真のように、斜め45°くらいの位置が限界です。

 

ではなぜ僕たちは真上に腕を上げることができるのか。

それは「肩甲骨が動くから」です。

 

実際に真上に腕を上げた時、肩関節と肩甲骨はこんな感じです。

肩甲上腕リズムの説明

肩関節だけでなく、肩甲骨も一緒に動いていますね。

だから「バンザイ」という動作は「肩関節の動き + 肩甲骨の動き」で行われているということ。

そして肩甲骨の動きが悪いと、その分肩関節が無理に動こうと本来の動きの範囲を超えてしまい、「お皿からボールがはみ出る」という結果になってしまいます。

 

野球で投球をする時も、肩甲骨の動きが悪い人は必要以上に肩関節を動かしてしまい、少しずつ肩関節周りの組織を傷つけてしまうんですね。

肩がはみ出さないように抑えつける筋肉が機能していない

また、肩関節には「お皿からボールがはみ出ないように押さえつける筋肉」が存在しています。

よく言われる「肩のインナーマッスル」というやつです。

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

 

後ろからと横からも見てみましょう。

プロメテウス 解剖学アトラス(解剖学総論/運動器系)より引用

完全にボールを覆っていますね。

このように肩関節をスッポリ覆い、お皿からボールがはみ出ようとした時に押さえつけてくれる働きがあります。

 

この筋肉たちは「筋トレ」で強く大きくするものではない。というのも特徴です。

筋肉の力よりも、

「ボールがはみ出ようとした時にいかに早く押さえつけることができるか」

「どれだけ持久力があるか」

という機能が大切になってきます。

 

ちなみにプロ野球選手でも、シーズン初めの4月に比べ、シーズンが終わった直後の10月の方がインナーマッスルの機能が低下していることが多いです。

インナーマッスルの機能が低下すると、結果的にお皿からボールがはみ出る回数が増え、肩関節周りの組織を痛める原因になるため、いかにインナーマッスルの機能を保てるかも野球肩を防ぐ上でとても大切です。

まとめ

野球肩にならないために大切なことは、「お皿の上にボールを留めておくこと」です。

肩甲骨の動きが悪いせいでその分肩関節が余計に動いたり、余計に動く時にそれを止めてくれる筋肉が機能していないと、お皿からボールがはみ出てしまい肩関節周りの組織を傷つけてしまいます。

 

詳しい対処法などは今後記事にまとめていきますが、ここでは野球肩になってしまう大きな2つの理由を理解しておくと、エクササイズの効率も良くなります。

1つずつしっかり理解し、これからも一緒に学んでいきましょう。

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