野球肩や野球肘はたいてい、投げ過ぎが原因で起きる。
そう思っていらっしゃる方を多く見かけますが、実際には投げ過ぎよりも「投げ方」のほうが大きな原因であることが多いです。
それはなぜなのか、具体的にどんな投げ方が問題なのか、この記事で紹介していきます。
AくんとBくんがそれぞれ投げた100球は肩への負担がぜんぜん違う
肩は消耗品、とよく耳にすると思いますが、これは事実です。
投げれば投げるだけ、肩の中身は少しずつ傷ついていきます。
「だから投げ過ぎを止めるために球数制限をするんだ!」
と、いうのは少し浅はかな考えです。
なぜなら、1球ごとに加わる肩への負担は人によって違うから。
例えばAくんは1球投げるごとに「2のダメージ」が肩に加わります。
その友達のBくんは1球投げるごとになんと「8のダメージ」が肩に加わるのです!
同じ100球投げたとしても、Aくんの肩には「200のダメージ」
Bくんの肩には「800のダメージ」が加わります。
なぜ2人の間にこれほどの差が生まれてしまうのか。
それは「投げ方」の違いです。
肩や肘への負担が少ない投げ方と負担が多い投げ方
詳細に投げ方の問題点を把握するとなると、さすがに専門家の知識と技術が必要になります。
そこで、深い知識がない人でも肩への負担が少し把握できる投げ方の特徴を紹介します。
肩や肘への負担が少ない投げ方
投げる時に「肩と肩と肘を結んだ線」が一直線になっているのが負担の少ない投げ方です。
投げている様子を見て判断するのは少し難しいので、写真を撮って見返してみましょう。
肩や肘への負担が大きい投げ方
反対に、「肩と肩と肘を結んだ線」が折れ曲がっている状態は肩・肘への負担が大きいです。
肩と肩を結んだ線に対して、肘が下がっていることがよくあります。
これが、肩・肘への負担を大きく増やしてしまう原因です。
自分やお子さんの投げ方を一度確認してみて下さい。
ここで注意したいのが、しっかり「肩と肩と肘を結んだ線」を意識することです。
よく「肘が下がっていると肩肘への負担が大きい」という言葉を耳にしますが、半分正解で半分間違いです。
肘が下がっているだけでダメなら、サイドスローやアンダースローの選手はみんな肩を壊してしまいます。
ここで、雪玉を投げるカエルさんを見てみましょう。
確かに肘は下がっていますが「肩と肩と肘を結んだ線」は一直線になっていると思います。
これは肩・肘への負担が少ない投げ方です。
なので、サイドスローやアンダースローの選手でも、この「肩と肩と肘を結んだ線」をしっかり意識して見ることが大切です。
もしも負担がかかる投げ方をしていた場合
最後に注意して欲しいことがあります。
それはもし「肩と肩と肘を結ぶ線」が一直線じゃなかった場合、無理に肘をあげようと意識しないで下さい。
投げる動作は無意識的に行うものなので、下手に意識してしまうと余計に肩に負担がかかります。
やるべきことは、トレーナーなどの専門家に診てもらい「なぜ肩と肩と肘を結ぶ線が曲がってしまっているのか」という問題を解決することです。
肩の筋肉だけの問題ではなく、背中の筋肉の硬さや股関節の動きの悪さなどが影響していることもよくあります。
ただ単純に「肩と肩と肘を結ぶ線が曲がってしまっている」のではなく、その原因が身体のどこかに存在していることを知っておきましょう。
まとめ
ここまでのことを理解しておけば、単純に球数制限などで投げ過ぎを防ぐだけでは危険ということがわかると思います。
出来る限り肩や肘への負担を減らした上で、投げ過ぎにも気をつけていきたいですね。
もしも「肩と肩と肘を結ぶ線」が曲がってしまっている場合、身体のどこに問題点があるのかを探るヒントも、今後発信していきますね。
【豆知識】
実はどんなに肩への負担が少ない投げ方をしても、肩へのダメージがゼロになることはありません。
なぜなら、そもそも野球の投げ方は人間の身体に適した投げ方ではないからです。
ゴリラやチンパンジーなどはよくウンチを投げますが、その時はソフトボール投げのように肘を伸ばしたまま下からや横から放り投げることしかしません。
ということは、動物の本能的な身体の使い方として、肘を折りたたんで上から投げることはありえない。
肩に負担がかかって当たり前、ということです。
それでも肩や肘への負担をできる限り少なくしておくことはとても重要なので、その方法を一緒に学んでいきましょう。
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