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【完全保存版】「野球肩・野球肘を防ぐ肩甲骨編」〜カタラボ大分大道店が伝えたい投球障害予防の現実〜

野球肘・野球肩の痛みに悩む選手へ肩甲骨の正しい使い方



野球肘や野球肩は、今や世界中の野球選手にとって身近なケガの一つです。アメリカの調査では、高校生投手の4人に1人以上がシーズン中に肩や肘の痛みを感じ、日本でも中高生の約2〜3割が肘の痛み約2割が肩の痛みを経験しています。

よくカタラボ大分大道店に来店する選手でもずっと肩や肘に痛みがある状態で練習や試合をしている人も多いです。
怪我について正しく理解し, 正しく治療やトレーニングに取り組めば、痛みなく投げられるようになります。

そこで今回はなぜ「野球肘」「野球肩」が多いのか、どうすれば痛みなく投げられるようになるのか、今回は理学療法士が肩甲骨の機能に着目して解説していきます!


はじめに

野球における肩・肘の故障は、決して「肩そのもの」「肘そのもの」だけが悪いわけではありません。

特に【肩甲骨(Scapula)】は、投球動作における「土台」として機能し、適切に働かなければ肩関節や肘関節への負担が爆発的に増大します。

カタラボ大分大道店でも来店する多くの選手が「肩甲骨の使い方」が原因で野球肩や野球肘を発症しているケースを見てきました。

そういう選手にいつも伝えるのは、怪我や身体の状態をどれだけ選手自身が理解できるかが非常に重要になります。そしてここを理解できる選手は野球のパフォーマンスも短期間で伸びる傾向にあります。

ぜひこの記事を読んでいる皆さんも自分の身体を深く理解し、日頃から身体に目を向ける習慣をつけましょう!

今回は投球動作における肩甲骨の役割と障害リスクを科学的エビデンスとともに解説します。


なぜ肩甲骨が野球肩・野球肘のカギとなるのか

野球肩や野球肘の発症原因を追っていくと、その多くは「肩甲骨の機能不全(Scapular Dyskinesis)」にたどり着きます。

肩甲骨は投球動作の中で、肩関節の安定と可動の両方を担う”土台”です。土台が崩れると、肩甲上腕(GH)関節や肘関節に余計な負担が集中し、結果として回旋腱板損傷、SLAP損傷、内側側副靱帯損傷のいわゆる野球肩・野球肘などが起こりやすくなります。

特に投球時の肩甲骨の動きとして

• コッキング期 → 肩甲骨は後傾しつつ内転
• 加速期 → 肩甲骨は素早く外転・上方回旋
• フォロースルー期 → 肩甲骨は前傾・外転しながら減速

という連続した複雑な動きをします。
この連動がスムーズにいかないと、肩関節は“ただのボールジョイント(球関節)”として酷使され、組織損傷のリスクが跳ね上がります。


特に私たちが重要視しているのが、肩甲骨の下制 / 後傾 / 内転の動きです。
この動きに使われる筋肉が僧帽筋下部線維(LT)という筋肉で、この筋肉を上手く使えるかが障害予防、パフォーマンアップの両方の観点から非常に重要になります。


エビデンスから見る肩甲骨機能と障害の関係

国内外の投球障害における研究では、肩甲骨機能低下と投球障害の関連性が報告されています。

肩甲骨の後傾角度が5°低下すると、肩関節インピンジメントのリスクが有意に増加。さらに野球肘患者では肩甲骨の上方回旋可動域も低下していた。 

Kibler et al., 2013:Br J Sports Med

オーバーヘッド動作(投球含む)で、肩甲骨の「上方回旋」が適切にできないと肩峰下インピンジメントが起こりやすくなる。インピンジメントを持つ選手では、僧帽筋上部(UT)だけが過剰に働き、僧帽筋下部(LT)の活動が低下する傾向がある。

Cools, A. M.2007:Trapezius activity and intramuscular balance during isokinetic exercise in overhead athletes with impingement symptoms. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports

「僧帽筋下部(LT)を制する者は、肩甲骨は制す」
僧帽筋下部は力んでいる状態だと、うまく収縮感を得ることはできません。肩甲骨を力まずに操作する、この感覚を掴むことで僧帽筋下部の収縮を促し、肩甲骨を安定して操作することができます。
まずは身体の力感を取り、少ない力で肩甲骨を動かすことから意識してみてください!


僧帽筋下部のチェック方法

椅子などに座り、リラックスした状態で肘を曲げ、後ろに引くように動かしてみてください。
この時に肩甲骨の上側に力が入っていれば、力み過ぎて僧帽筋下部は使えていません。
下の画像のように、肩甲骨の内側下縁付近に「何かいるな」と感じられればOKです!


僧帽筋下部線維(LT)の収縮トレーニング

  1. Backward Rocking Diagonal Arm Lift
  2. Y-Raise on Foam Roller
  3. Wall slide

Backward Rocking Diagonal Arm Lift

方法:四つ這いから土下座するように上体を床に近づけ、その状態で腕を斜め上(145°)に挙げる動作
注意点:肩がすくまる(肩が耳に近付く)とUTに頼ってしまう
効果:LTの筋活動が非常に高く、肩甲骨後傾もしやすいため、LTの活性に最適 (Brent Brookbush.2023)

Y-Raise on Foam Roller

方法:同じように土下座姿勢になり、フォームローラーに両腕を乗せ、Yポジション(腕をY字)で持ち上げる
注意点:肩をすくめない、力みながら持ち上げない、腰を反り過ぎない
効果:YレイズよりもLTの活動量とLT/UT比が高まるという研究結果があり、フォーム一つで効率が上がる(Bae et al., 2025)

Wall slide

方法:壁を向き、両腕をスライドしながら肩甲骨を動かす
注意点:肩をすくめない、力みながら持ち上げない、腰を反り過ぎない
効果:90°以下の可動域でも十分なLT活性が確認されている→肩が挙げにくい人でもできる


まとめ

「僧帽筋下部(LT)を制する者は、肩甲骨は制す」

野球肘や野球肩で悩む選手全員に伝えたいことです。
肩や肘の痛みなく、思い切り野球をするためには必ず重要になってくる肩甲骨の使い方です。

野球肩や野球肘の痛みに悩む選手はこちらをご覧ください→ こちら

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【肩の痛み/肘の痛みに悩む選手へ】投球障害と胸郭の関係性 | カタラボ へ返信する コメントをキャンセル

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