前回の記事では、打球速度と飛距離を伸ばすためには 「スイングの前半からアークを大きく描き、インパクトまでの加速距離を長く取ること」 が重要であると解説しました。
ここ最近よく見るのはスイング後半(インパクト直前からフォロースルー)でアークを大きく取る選手が多いですが、それではインパクト直前に十分な加速ができず、結果的に打球速度が伸びにくいのです。
今回は、その理論を実際に体感できる2つのドリルを紹介します。
いずれも「スイング前半から大きなアークを作り、ボールに向かって加速していく」感覚を磨くことを目的としています。
Stroke Hitting Drill
目的
スイング前半から弧を描き、自然に加速できる感覚を身につける
STEP1
置きティーを準備し、通常のバットを使用する
STEP2
右打者であれば右手一本でバットを持ち、テニスのフォアハンドストロークのように打つ
STEP3
このとき「直線的にバットを出す」のではなく、トップの位置からバットのヘッドを使い、弧を描くようにスイングする
STEP4
バットの面がボールのラインに自然に入るように打つことを意識する
- テニス選手がラケットを振るように、必ず「円軌道」を描くこと
- バットがボールに対して長く入ることで、打球に力が伝わりやすくなります。
- 実際のスイングよりゆっくりで構わないので、大まかに弧(スイングアーク)を作る
Standing Med Ball Rotational Hitting Throw
目的
スイング前半の加速距離をしっかり作らなければ遠くへ投げられないことを実感する
STEP1
2~5kg程度のメディシンボールを両手で持つ
※様々な大きさ/重量で実施する
※様々な大きさ/重量で実施する
STEP2
実際に打席に立つような姿勢を作り、スイング動作でボールを遠くへ投げる
STEP3
感覚掴みにくい場合は振り子のようにスイングして投げる
STEP4
投げる時は「思い切り遠くに飛ばす」ことを意識する
- 後半だけで強く振ろうとすると、ボールは遠くに飛ばないことを体感する
- 後半だけ強くすると腕だけで投げる感覚になる
- 腕を身体と同化させ、身体全体で大きく投げるように意識する
今回紹介した2つのドリルは、どちらも 「スイング前半でアークを大きく作り、加速距離を確保する」 ことを目的としています。
- テニスストローク打ち → 弧を描く感覚をつかむ
- メディシンボールスイングスロー → 加速距離がないと飛ばせないことを体感する
前回の記事で解説した理論を、この2つのドリルで実際に体に落とし込むことで、打球速度の向上につながります。
強い打球を打つためには、ただ後半で力任せに振るのではなく、前半から効率よくアークを大きく取り、インパクトまで加速し続けること が不可欠です。
ぜひ日々の練習に取り入れて、実戦での飛距離アップを実感してください。
バッティングをよくしたい選手は詳細をご覧ください → こちら